エンジン・オーバーホールを行いました。
こんにちは、メカニックの山口です。
今日はこんな作業ももちろんやってます!というのをご紹介!
それは・・・エンジン・オーバーホールです。
車の心臓部であるエンジンは年数や使用距離等で徐々に傷んでいきます。
日頃のメンテナンスでも十分長距離や長時間使えますが、個体差もあって問題が出てくるものもあります。
今回請け負った仕事はGDIエンジンのオイル消費とエンジン不調の観点からオーバーホールに至ったものです。
エンジンオイルは潤滑はもちろん、冷却や気密、静穏性などの側面も備えており、規定量きちんと入っていないと劣化しやすくなります。
もちろん厳密にはエンジンオイルは少なからず消費されてしまいますが、おおよそ5000キロ走行で0.5Lまでであれば問題ありません。
これが1000キロ走行で2~3Lも減っているものや排気マフラーから白煙が出ているものは深刻な状態といえます。
まずは分解をしていきます。
やはり汚れがたまって、燃焼室は真っ黒け状態です。
今回、オーバーホールですが、基本的なもののみの交換です。
オイル消費という観点から推測されるトラブル部位はNAエンジンですので、ステムシール及びピストンリングです。
ステムシールというのは、バルブが上下するステムガイドからエンジンオイルが「下がる」のを防ぐ小さなシールです。
これを16バルブエンジンですので、勿論16個全部新品に交換します。
また、バルブの傘「フェース」部分にもカーボンスラッジがたまっているので清掃し密着度を上げます。
ピストンリングは名前の通り「ピストン」にある3段備えてリングで、上部からトップ・2ndとなり一番下がオイルリングです。
ここに汚れが入り込み動きが悪くなりオイルを掻き下げる機能が弱くなると、シリンダ壁面オイルが燃焼室に残りやすくなりオイルの消費が増えます。
この状態を「オイル上がり」と言います。
ピストン自体にはダメージはありませんが、側面も真っ黒けでリングが固着しかかっています。
もちろん、ピストンの汚れを落としリングを新品に交換します。
清掃すると、こんな感じになります。
アルミ地金が美しいですね。
シリンダヘッドも綺麗に清掃してリフレッシュ。カーボンスラッジが焼けてこびり付くので、この掃除がなかなか大変です。
掃除している間はバルブステム等も外すので再組立て中です。
綺麗にしたピストンをシリンダに再組立てしました。
ピストンヘッドが綺麗で美しい!
距離も伸びてきていましたので、タイミングベルト等消耗品も交換してゆきます。
あとは普通に組み上げていくだけです。
年数や距離等にもよりますが、このように汚れを落としきちんと部品を交換していくとエンジンは元気に力強く回ってくれます。
金額的には高額な修理で、最近では「乗り換えをお考え下さい。」という流れになってしまいますが、やはり慣れ親しんだ愛車を手放すのは寂しいものです。
古い車にも良さがあり、大事にする方々は沢山います。(40年以上前のお車を持ち込まれる方も多くなないですが来ていただいています。)
消費時代になってしまった現代、修理して長く使うというのも自分ペースな人生で良いものですね!