MSR | エリクサー1 最高の機能性と設営方法を徹底レビュー
兵庫三菱/姫路三菱ウェブ編集局
記事 : N.Nagasaka | 企画協力 : 株式会社六角形
配信日 : 2020年10月21日 9:00 JST
「ヒロシ」さんも使うソロ用テント『MSRエリクサー1』
こんにちは。今回は、山でもキャンプでも使えるMSRの一人用テント エリクサー1を徹底レビューしていきます。キャンプ芸人の草分け・ヒロシさんが使っているものでもあります。一体どれほどのモンなのか??実際に雨天のテント泊登山などで使った感想や、わかりやすいよう動画での説明も加えていますので参考にしていただけると幸いです。(旧版記事の写真も使用しています)
1. MSRエリクサー1の概要説明
MSRとは?
MSR(Mountain Safety Research)は、1969年にアメリカ・シアトルのエンジニア/登山家のLarry Penberthyによって創業されました。その名の通り、「より優れた、安全で信頼できる装備を目指す考えこそが、偉大な冒険を切り開く鍵となる(意訳)」という信条のもとアウトドアアクティビティを世界中の人が楽しめるものにしてきました。プロ用の本格ギアから、今回ご紹介するようなキャンプ用ギアまで幅広い製品を展開していることがその証拠ですね。
MSRエリクサー1のスペックや値段
- 定価:¥28,000+税
- ジャンル:バックパッキングテント(3シーズン用)
- カラー:グレー、グリーン(エリクサー2にはゴールド色も。)
- 定員:1人
- 総重量(ペグ、グラウンドシート含め)2160g
- 付属物:後述
- 収納サイズ:48×15cm
- フロア面積:1.86m²
- 前室面積:1.11m²
- 室内最大高:100cm
- 構造:自立式・フック式・ダブルウォール
2. 内容物
商品の内容物は以下の通りです。以下を全て含めて2,160g。登山でも持つことのできる重さです。
- インナーテント(テント本体)
- レインフライ(防水カバー)
- 大ポール、小ポール(テントの骨組み)
- フットプリント(本体と地面の間に敷くシート。グラウンドシート。) ペグ(テントを固定する杭)
3. 設営の手順とコツ
組み立ては慣れると5分ほどで可能ですが、コツが必要な部分もあります。解説していきましょう!
- グラウンドシートとインナーテントをセット
まずは、浸水や穴が開くのを防ぐグラウンドシート(フットプリント)を敷き、その上にインナーテント(テント本体)を敷きます。他のシリーズと違い、初めからグラウンドシートがついているのは良いですね。
- 次に、大ポールを取り出し伸ばします。力は一切要りません。
- ポールを一端に挿す
ポールの一端をインナーテントとグラウンドシートの金具に挿します。指すべきポールと金具のヒモの色が統一されているので迷いません。
ここで覚えておくといいのが、グラウンドシートの金具を、インナーシートの金具の上に重ねることです。動画をご覧ください。こうすることで、あとでテントを移動させたい時に、グラウンドシートが外れてしまわずに運ぶことができるためです。
- ポールをもう一端に挿す際のコツ
次に、ポールの反対側の一端を金具に挿して行くのですが、この際に少しコツが要ります。ポールはテントの骨組みとなるため、しなるようにできています。そのため普通に挿し込もうとすると、先ほど挿し込んだ側が逃げていってしまいます。そこで、スムーズに挿し込むため、動画のように「膝でテントを抑えること」を意識してください。
これにより、テントを吹っ飛ばすことなく設営ができます。
- フックを留めていく
四隅にポールを挿して立ち上がったら、インナーテントのフックを留めて、吊り下げていきます。ここもフックのヒモとポールの色が対応しているため、迷いません。
- 小ポールで壁を広げる
全てのフックがかけられたら、MSR製テントの最大の特徴の一つ、小ポールの登場です。
動画のように、大ポールが交差する部分に、この小ポールを挿し込むと、、、
壁が立ち上がり、一気に広さが増しました。天才的な発想です。この構造のメリットは、後ほどお伝えします。
以上でインナーテントは完成。 - フライシートを被せる
雨や風の心配があれば、フライシートを被せます。四隅と小ポール部分を接続すればOKです。
- ペグを打つ
最後に、風に飛ばされないようペグを挿していきます。ペグダウンってやつですね。本当はガイライン(入り口上部などについている細いロープ)にもペグを指す必要がありますが、今回は割愛。
ペグダウンに関しても、工夫が感じられる点があります。それが、このループの構造。ペグが非常に挿し込みやすくなっています。
以上で、テントの設営は完了です!!!
4. 使ってみて嬉しかったポイント
ここからは、エリクサー1のグッドポイントを、注目度の高いものから順に解説します。筆者が秋に雨天の1,000m級のテント泊登山などで実際に使った感想交えつつお伝えします。
- 天井と前室がとても広い
実際に寝られる人数は一人だけです。しかし、開放感が一人用とは思えません。小ポールによる壁の持ち上げで、着替えも余裕。体が壁に触れることが少なく、寒い思いをしません。
前室も、ふた部屋目と言っていいレベルに広いです。料理や靴の履き替えを煩わしさを感じずに非常にゆったりとできました。
- 入り口が横向きで、目一杯開くことができる。
エリクサー1は、入り口が長方形の長辺の方にあります。それも目一杯開いて固定もできるので、出入り、荷物の出し入れがしやすいです。
また、大人が二人隣同士で座ることもできます。雨天で友達とキャンプをしましたが、雨でも広い前室を使いながら濡れずに二人で座って料理や食事ができました。
- 上部、サイドのメッシュポケットが便利。
インナーテントの上部と両サイドには、メッシュのポケットがついています。すぐに使いたいものをしまわずにすみ、テント内が散らかりませんでした。
特に丈夫ポケットはスグレモノです。ヘッドライトやスマホを入れることで、シーリングライトのように使うことができます。最悪ランタンがなくても問題ありません。 - インナーテントのメッシュ部分が広い。
キャンプや登山の初心者が予想しにくい不便の一つが、「結露」です。寒い中テント内で火を使うと特に起きやすいです。
エリクサー1のインナーテントはこのシースルーぶり。11℃程度の状況で、前室で料理をしましたが、結露はフライシートに多少つく程度でした。ちなみに、フライをつけた状態でダウンのシュラフに入れば、夜でも全く寒くありませんでした。これはどちらかというとシュラフのおかげですが。笑
- その他細かいメリット。
- ジッパー
ついているジッパーは全て蓄光式で、真っ暗でも見えます。
- フライシートの開き具合を調整できる
前室の開き具合は、全閉、1/2開、1/3開の三段階で開けます。留め方も簡単です。
- シェルターとしても使える
フライシートとグラウンドシートだけを使えば、シェルターにできます。
- 収納袋の耐水が完璧
お風呂で洗ってみて気づきましたが、製品を全て入れる収納袋が全く水を通しませんでした。テントが濡れても収納さえすれば大丈夫です。
- フライシートの裾の高さを調節できる
アジャスターがついており、裾の高さを調節できます。フライの張り具合を簡単に調節することも可能です。
- ジッパー
5. 使ってみてわかったイマイチなポイント
- 登山で使うには、微妙に重たい
おそらくエリクサー1は、重くても問題のないキャンプでも、軽さを重視する山歩きでもどちらでも使えるテントを目指して作られたようです。ただ、キャンプで使うには十分な軽さ・コンパクトさですが、山歩きとなると一人用としては若干重たいと感じました。筆者は一泊二日で使いましたが、サイズ的にもわりとスペースを圧迫されました。もちろん機能的には全くの無問題ですので、好みの問題です。
- 内側からベンチレーション(通気口)が若干開けにくい。
エリクサー1のフライシートには両サイドにベンチレーション(通気口)がついています。結露を防ぐのに必要な機能ですが、インナーテントがほぼメッシュなため、ベンチレーションを開ける穴がありません。そのため、動画のようにして開ける必要があります。場合によっては手が濡れることもあるかもしれません。
- 若干組み立てにコツがいる。
こちらは、組み立て方法でご説明した通りです。
6. 他製品との比較
モンベルの「クロノスドーム」
エリクサー1は、コスパは非常によいと思います。ただ、重さと前室の広さがほぼ同じで、居住スペースがより広いモンベルのクロノスドーム1型は、定価21,000円(税別)。別売のグラウンドシートや天井のポケットを買っても、値段はエリクサー1より数千円安いです。
MSRの一人用テント
また、同じMSR製の1人用バックパッキングテント(3シーズン(春夏秋)用)としては、以下のようなものがあります。値段順に、
- ゾイック1
- 総重量1710g
- 定価:¥42,000+税(フットプリント別売)
- エリクサーより軽く、耐水性が高い。
- ハバ NX
- 総重量 1290g
- 定価:¥53,000+税(フットプリント別売)
- ポールなどがより高級になり、軽量。MSRのバックパッキングテントではベストセラー。
- フリーライト1
- 総重量 1130g
- 定価:¥55,000+税(フットプリント別売)
- 素材や構造の工夫でハバよりもさらに軽い。
- カーボンリフレックス1
- 総重量 790g
- 定価:¥63,000+税(フットプリント別売)
- 薄手記事と構造の簡略化で軽さの限界を超えたテント。
ここまできれいに価格帯が分けられているのは驚きです。なお、最も安く、居住スペースが広いのがエリクサー1。キャンプ用カテゴリで売り出されているハビチュードシリーズは4/6人用ですし、その他のカテゴリはキャンプ用にはオーバースペック。MSR製でソロキャン用となると、自動的にエリクサー1に絞られるかもしれません。
以上、MSRの一人用テント「エリクサー1」の徹底レビューでした!参考になったら、是非シェアをお願いいたします。
7. 関連情報
記事中で紹介した商品
その他のギアレビュー記事
- 【Solo Stove】ソロ アルコールバーナーの使い勝手を徹底検証
- 【Solo Stove】ソロストーブタイタンの使い勝手を徹底レビュー!
- 【Solo Stove】ソロストーブレンジャー | 世界で評価される最高の焚き火台
編集局のSNS
兵庫三菱WEB編集局では、SNSでも情報を発信中!是非フォローをお願いします♪