「SUV」の人気は本当か?販売台数データから読み解く - Part.2(海外編)
兵庫三菱Web編集局 | 記事 : N.Yokoyama
配信日 : 2016年6月17日 20時00分 JST
前回は、日本国内でのSUV販売状況に触れました。今日は、海外(米国・ヨーロッパ・中国)のSUV販売状況を見てみます。
米国での自動車販売台数は年々増加中
米国での2012年〜現在までの自動車販売台数を出してみました。右肩上がりで年々伸びているのがみて取れます。
実数値です。リーマンショック直後は記録的な落ち込みで販売が冷え込んでいたんですが、その後盛り返し、米国の2015年の自動車販売台数は過去最高の約1750万台。2016年もさらに記録更新しそうな勢いで推移しています。
米国SUV販売台数が続伸中。セダンを大きく上回る
米国における自動車販売台数では、カテゴリを「乗用車」と「ライトトラック」で分けて計測することが多いです。「乗用車」はセダンタイプの車、「ライトトラック」はSUVや米国でポピュラーなピックアップトラックなどです。その販売台数推移のグラフが上記。オレンジ色が乗用車、青色がライトトラック。2013年に初めてライトトラックが乗用車販売台数を上回り、2015年にはライトトラックが爆裂に販売台数を伸ばしています。セダンが年々衰退し、ライトトラック伸びの背景にはSUVが大きく寄与しているわけですが、詳しくはまた次回。
↑ピックアップトラック例(画像はフォード)。三菱自動車のピックアップトラックは「トライトン」として世界中で販売されています。こういった車が米国では人気です。
ヨーロッパ(欧州)のSUV販売台数はカテゴリシェアNo.1に
次に、ヨーロッパのデータ。ヨーロッパでの2015年の新車登録台数は前年比+9.3%の成長。
SUVを「SMALL」「COMPACT」「MID-SIZE」「LARGE」で分類したデータが上記ですが、小型SUVの著しい販売増加(前年比+38%)の影響もあり、他のセダンやコンパクトカーなどのカテゴリを抑え、SUVのヨーロッパでのマーケットシェアは歴史上初めてNo.1に。ヨーロッパでも、日本、米国と同様にSUVがシェアを伸ばし続けています。
中国SUV販売台数は10年間で30倍!
最後に、中国のデータ。中国は世界一の自動車販売数(約2,500万台)を誇る市場です。上記グラフは金額ベースですが、台数ベースだと2015年の中国でのSUV販売台数は684万台と前年比+41%の成長でした。2005年の中国でのSUV販売台数は20万台ですので、10年で30倍以上成長しています。中国のSUV販売台数だけで日本全体の自動車販売台数(約500万台)より多いわけですから、本当に中国の市場は大きいです。
まとめ
- 米国(アメリカ)では2013年にSUVがセダン販売台数上回る
- 欧州(ヨーロッパ)でも2015年に歴史上初めてSUVがシェアNo.1に
- 中国SUV販売台数は10年で30倍に
前回の日本国内でのデータに続き、米国、欧州、中国のSUV販売台数データをみてみましたが、総じてSUVの販売は劇的に伸びています。完全に世界的なSUVブームです。自動車のさまざまなデータを調査しているIHSオートモーティブによると、2015年、世界全体での自動車販売台数は約8,800万台で、そのうちSUVの販売比率は25%(約2,200万台)。2023年には3,000万台を超える見込みとのことです。