趣味で所有する人急増!懐かしのオールドアメリカンカーで走る休日
兵庫三菱Web編集局 駐デンマーク | 記事 : A.Nabeshima
配信日 : 2016年6月9日 08時00分 JST
デンマークの乗用車は基本黒
デンマークに来て実感したのは、何かと地味なこと。北欧デザインと言えば、marimekkoなどの大胆な模様や彩りもありますが、あれはその他が地味でシンプルだからこそ映えるもの。形や作りにこだわりはあっても、華美な装飾はしないようで、歩いていても、通りすがる人は高確率で黒色の服を着ています。ビビッドなスカーフやバッグなどの小物でワンポイントにデザインを入れていてとてもおしゃれですが、なんとなく全体的に暗い雰囲気。
そして、車に乗っていても同じように、すれ違う車は黒、黒、黒、白、黒、グレー、黒、というように圧倒的に黒が多くてそれ以外も地味です。
通りにズラッと並ぶ車はみんな黒。日本でも黒は人気色ですが、ここまでではないと思います。太陽が少ない気候のせいでしょうか?
年に一度、派手なレトロカーが集結する日
4月はそんな人も車も黒黒黒の中、空もどんより暗く、肌寒い日が続きましたが、5月になると一気に晴れ間が多くなり、暖かくなりました。
ある晴れた休日、車で海岸沿いを走っていると、異変に気付きました。
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いつもとあきらかに違う様子の車が次から次に走ってきました。
いつもは黒やグレーばかりの道路が、 派手なオールディーだらけ! 古き良き時代にタイムリープしました?という感じです。
実は、この日80年代から30年以上続いている「TURTLE BALL RUN and MEET」というアメリカンカー同好会のイベントだったらしく、デンマーク中からアメリカンなレトロカー愛好家が集まって、いっしょに首都のコペンハーゲンまで約100km走ろう!というレースだそうです。正確なカウントはしていないようですが、およそ900台以上。
Tuetle Ball Run and Meet 2016(acc.dk)
歩道に椅子を出してビールをのみながら見学する人も。
沿道で見学する人に手を振ったりピースしてくれます。
一位を競っているわけではないので、ゆっくりと街中を走って、たまに途中で降りて休憩したり話をしたり。 近年は特にクラシックカーブームだそうで、このようなレトロカーレースやオークションが行われたり、結婚式などのイベントでクラシックカーをレンタルするのも流行っているとか。
普段の車はコストや機能重視で地味なものを使用し、年に数回だけ、とっておきの車で思い切り走るという贅沢なような効率的なようなデンマークらしいイベントでした。
先日の「休日の過ごし方」の記事でも冬と夏の過ごし方が極端に違うことを述べましたが、オンとオフの切り替え、地味なものと派手なもののバランスなど、陰と陽の上手な使い分けが、北欧の社会を理解するヒントなのかなと思いました。