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Trangia(トランギア)ストームクッカーLデュオーサルを徹底レビュー【70周年の名作ギア】

兵庫三菱/姫路三菱 編集局
記事 : N.Nagasaka 企画協力 : 株式会社六角形
配信日 : 2021年3月1日 9時00分 JST

Trangia(トランギア)といえば、とんでもない人気を誇る「メスティン」が目玉商品だと思われがちですが、実はメスティンがこんなに売れてるのは日本だけ。トランギアが会社として押し出してるのは今回紹介する「ストームクッカー」シリーズなんです。
今回は、トランギアがそもそもどんなメーカーなのかも含め、ストームクッカーデュオーサル Lを徹底レビューする回です! 実際に炊飯&すき焼きもしてみたので、調理での使用感もお伝えします!

スウェーデンの古豪「Trangia(トランギア)」とは?

ストームクッカーの紹介の前に、少しTrangia(トランギア)というブランドについてご紹介します。

Trangia(トランギア)が生まれたのは1925年。アウトドア大国スウェーデン北部のトロングスヴィーケンという農村が創業の地です。
社名「Trangia」の由来は、創業の地名と、製品のメイン素材のアルミニウムの元素記号「ia」を掛け合わせたものだそう。創業当初は家庭用の鍋などをメインに製造していましたが、余暇のキャンプ需要の高まりとともにアウトドアギアメーカーへシフトチェンジ。以来、アルコールバーナーやアルミクッカーなどをメイン商品に、世界的なメーカーとなりました。

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語り尽くせないほどの魅力をもつこのメーカーですが、特筆すべきは「品質へのこだわり」と「環境保護」です。Trangia(トランギア)は、目の届く範囲内で最高のものを作るため、現在も製造工程の全てをトロングスヴィーケンの工場で行っています。また、工場では創業当時の機械と最新の機械が入り混じって使われているそう。なぜなら、それが高い品質のために最適化された結果だからです。自然豊かなトロングスヴィーケンの町で、土地を愛するアルミ加工の熟練工たちが、自らの手と最適化された機械とを使いながら、最高の品質を追求し続けているそうです。
北欧らしい環境保護にも抜かりがありません。例えば、工場で使うのはすべて再生可能エネルギー。さらに、自然への影響を分析するために第三者機関を招くなど、やれることは全てやっているようです。ストームクッカー自体も、2,30年の寿命を誇る、まさにサステナブルな製品です。そこらのアウトドアメーカーとは仕事に対する覚悟が違いますね。こんな会社がTrangia(トランギア)なのです。

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ストームクッカーL デュオーサルの基本情報や仕様

さて、レビューするギアを見ていきましょう。こちらがTrangia(トランギア) ストームクッカーL デュオーサルです。

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  • 価格:¥18,150(税込)
  • 重量:1130g
  • 収納サイズ:Φ22×H10.5㎝
    容量:1800ml
  • 素材:外側/アルミ製 内側/ステンレス製
  • 内容物:フライパン、ソースパン2種、アルコールバーナー、ハンドル、ゴトク兼風防、結束バンド
    収納袋、フライパン用蓋などは別売。写真左下のケトルも別売。

ストームクッカーとは?特徴とバリエーションについて

ストームクッカーというギアの特徴と、2つのサイズ、4つの素材からなる豊富なバリエーションを紹介します。

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調理器具てんこもり!1951年から変わらぬ形の名作

実は、ストームクッカーは、1951年に発売されて以来、ほとんど形を変えていません。改良や多機能化などはされましたが、デザインは全くと言っていいほど同じです。サイズや素材タイプについては後述。

こちらは収納された状態です。

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分解してみます。野外でのあらゆる調理を可能にする、6つの基本パーツからなるストームクッカー。その中身は以下の通りです。機能は、サイズ・素材タイプに限らず同じです。

  1. アルコールバーナー
  2. ゴトク兼風防
  3. フライパン
  4. ソースパン(鍋)1.5ℓ
  5. ソースパン1.75ℓ
  6. ハンドル

まずは、トランギアのアウトドア製品の原点、アルコールバーナーです。スウェーデンの寒く、風の強い気候でも使えるよう、あえて液体燃料であるアルコールバーナーをセットにしたそうです。

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ゴトク兼風防は、二つのパーツを組み合わせると完成。中心にアルコールバーナーをすっぽりはめることができます。こちらは燃焼中の様子。

Trangia-stormcooker-13.jpeg 下部のメッシュになっている部分を風上に置くことで、火力をあげられるそうです。また、風が入らないと風防内の温度が上がりすぎ、ストームクッカーが溶けてしまうこともあり得るので注意です。

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調理用具としては、フライパン(左手前)と鍋二つ(左上)が含まれています。それぞれ、思っていたよりかなり直径が大きかったです。

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このコンパクトさでこれだけの調理器具が入っているのはすばらしいですね。二人分なら、難なく調理できます。ちなみに、鍋にはフライパンを蓋として使うことができますが、フライパン用の蓋はついていません。別売の物を買う必要があります(記事末尾にURL)。
また、アルコールバーナーが燃料満タンで25分ほどの燃焼時間なので、幾度か燃料を補充する必要はあります。

Trangia(トランギア)純正のケトル0.9Lも、中にスタッキングできます。さらにその中に物を入れることも可能。

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ハンドルは、肉抜きにより軽量化が図られています。それでいて手になじみ、イイ感じ。使い方はこのような感じです。掴まないと固定されないので、落とさないよう気をつけなくてはなりません。

実際に調理する際は、ソースパン(鍋)の場合はゴトクを下げたままに。

フライパンを使う場合は、ゴトクを上げて使います。いずれの場合も安定感があります。ただし、アルコールバーナーの火はみにくいです。

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ニーズに応えられる多様なバリエーション

ストームクッカーは、二つのサイズと4つの素材のバリエーションがあり、自分の好みに合わせて買うことができます。

  • サイズ

    サイズはSとLのふたつ。SはLと違い、入っている2つのソースパン(鍋)のサイズがいずれも1Lです。Lは1.5Lと1.75Lと、かなり大きいです。他の違いはほとんどありません。

  • 素材
    • ウルトラライト Lの価格:¥12,650(税込)

      最も安価なモデルで、ウルトラライト・アルミニウムは超軽量素材。Lサイズでも900gです。フライパンはノンスティック加工されており、焦げ付きの心配もありません。ただし、ノンスティック加工は剥がれて使えなくなったりするので注意です!

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      公式HP『トランギアのルーツとアイデンティティにふれる物語』より

    • ハードアノダイズド Lの価格:¥20,900(税込)

      ウルトラライトアルミニウムをベースに、ソースパン(鍋)にアノダイズド加工を施したもの。摩擦や腐食への強度が高められています。それでいてLの重量は900gとイイことづくし。ただしこちらもフライパンのノンスティック加工の剥げには注意!

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      公式HP『トランギアのルーツとアイデンティティにふれる物語』より

    • ノンスティック・ブラックコート Lの価格:¥16,500(税込)

      フライパンだけでなく、ソースパン(鍋)にもノンスティック加工がされているタイプ。重量は1149gです。

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      公式HP『トランギアのルーツとアイデンティティにふれる物語』より

    • デュオーサル Lの価格:¥18,150(税込)

      今回紹介しているモデル。デュオーサルとは、外側はアルミ、内側はステンレスという二つの素材を圧着させた物です。アルミは軽量性と熱伝導率、ステンレスは耐久性に優れています。重量は1130g。

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      公式HP『トランギアのルーツとアイデンティティにふれる物語』より

    最も安いモデルで¥12,650と、クッカーとしては高価な部類に入るストームクッカー。ではその実力はどれほどのものなのでしょうか。確かめていきましょう!

ストームクッカーL デュオーサルで炊飯とすきやきを作ってみた!

ストームクッカーL デュオーサルの使い心地を検証するために、実際に白米の炊飯とすきやきを作ってみました。その様子を感想を交えて紹介していきます

火が強すぎ??ご飯を炊いてみる

デュオーサルはノンスティック加工がされていないため、焦げ付きを軽減するシーズニングをしておきました。米のとぎ汁を煮た後、野菜クズを炒めるフルコースです。

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炊飯の手順は簡単。アルコールバーナーに火をつけます。強さは中火。30分ほど水につけておいたお米をソースパンに移し、蓋をして熱します。

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25分たったら火からおろし、15分放置(蒸らし)する。というはずでしたが、焦げっこげになってしまいました。火が強すぎたかもしれません。

そう、ここがストームクッカーのいまいちポイント!「火が見えにくい・調整しにくい・感覚が掴みにくい」のです。風防の構造上ただでさえ火の様子が見にくいのに、さらにアルコールストーブの火は着火してからとしばらくしてからでは強さが全く違います。火の調整は蓋をかぶせる以外では不可能。そのため、炊飯のように途中で中身を確認しにくい料理の場合は、少し扱いにくいと言うのが本音です。

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外で食べれば最高!すきやき

気を取り直して、みんな大好き、すきやきです!
今回はフライパンを使い、好きなときに火の強さも確認できるので問題なく行きたいところ!

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牛肉をある程度焼き、割り下を投入。これくらいの焦げ付きを気にしていてはキャンプ飯はできません。

他の具材も投入。すきやきは何の問題もなく大成功で、とてつもなく美味しかったです。

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フライパンを使ってみて一点気になったのは、ハンドルが簡単に外れてしまう点。握らないと固定できないため、こまめな火の確認などはしにくいです。

使ってみて実感した良い点、悪い点

実際に調理をしてみてわかったポイントをまとめておきます。
  • 多機能性とコンパクトさ、デザインの両立が最高

    これだけの大容量の調理器具がコンパクトに纏まる点は非常によいです。ストームクッカーがワンセットあれば、野外におけるほとんどの調理は可能だと思います。Lサイズなら、二人分の料理は不自由なく作れそうです。
    また、スタッキングもぴったりで、省スペース。北欧流のシンプルなデザインもグッとくるポイントです。

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  • 火の扱い方が難しい

    火力調節や燃料補充が大変なアルコールバーナーは、ガスに比べると使いにくいのが正直なところ。それだけならまだ良いのですが、風防の機構的に火の様子が見えにくいので、いまいちなポイントです。

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    ただ、実はそんな人は助かる方法があります。アルコールバーナーの代わりに、ストームクッカー にぴったりなサイズのガスバーナーを使う方法です。純正は輸入品でしか売っていません(amazonで¥10,080)。BULINというサードパーティー製の物であれば、¥2,800で買えます。(記事末尾にURL)

  • ハンドルが外れやすい

    何度か書いたように、付属のハンドルが若干外れやすいです。使い心地自体はとてもよく、動作も問題ないです。人によっては構わない問題かもしれません。

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最後に

いかがでしたでしょうか。北欧の古豪アウトドアメーカー「Trangia(トランギア)」の名作「ストームクッカーL デュオーサル」をご紹介しました。使ってみてわかるのは、やはりまごうことなき名作であるということ。何度も言いますが、これだけの調理器具がコンパクトに一つにまとまっており、70年前にはすでに完成されていたと言うのは本当に驚きです。さらにTrangia(トランギア)というブランドのストーリーを知ると、愛着が湧いていつまでも使っていたくなる製品でした。国内のキャンプなどに使うなら、ガスバーナー化することでデメリットもほとんどなくなります。とてもおすすめの製品です!

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関連情報

Trangia(トランギア) 日本公式サイト(イワタニプリムス株式会社)
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